おまえはどうなんだ?

nogisumiko2011-10-02


10月8日(土)から開催される展覧会『おまえはどうなんだ?』に わたしもインスタレーションで参加します
ずいぶんとごっついタイトルですが 「おまえ」とは私自身の事だと肝に銘じながら制作しています
ちなみに わたし個人の作品タイトルは『コード』です
わたしの仕掛けた「コード」に引っ掛かって頂けたら幸いです

展覧会場は銭湯の名残がある手強い場ではありますが
インスタレーション作家が多く パフォーマンスや劇団の方々も参加していますので
「ここにしかない空間」で「ここでしか出来ない事」がどうなるのか 私自身もたのしみです
ぜひ 現場で体感して下さい

会期中の週末にはイベントがあります 入場料の他に500円の観覧料が必要なイベントもあります(計1,000円)
下記の『おまえはどうなんだ?』HPの詳細を御覧になって 足をお運び下さい
どうぞ よろしくお願いします

ではでは 銭湯でお逢いしましょう


____________________

『おまえはどうなんだ?』

◎ 場所:松の湯(銭湯)2階 / 東京都新宿区山吹町16
 アクセス: https://sites.google.com/site/omaehadounanda/map

◎ 日時:10月8日(土)〜10月29日(土)
  (* 8日オープニング 18:00〜)
  月水木金 / 16:00〜21:00
  土日   / 11:00〜21:00
  *火曜定休日

◎ 展覧会入場料:500円(お風呂付きセット券700円)
 (通常銭湯入浴料は450円ですのでお得です 銭湯は1階です)

* 開催中の土日にはイベントが盛り沢山です
わたしも23日(日)にはトークイベント クロージングパーティーの29日(土)には『ひつじのさんぽ』します

詳細: https://sites.google.com/site/omaehadounanda/

ひより

今日は9月11日
311から半年 911から10年経った
この2つの出来事を 一緒くたには出来ない 一緒くたにする気もない
それでもこの「たまたま」な日に 色々思い出し取り留めも無く考える


2002年 指輪ホテルとの共同で『ひより』というパフォーマンスを制作したことを思い出す
お題は確か「911事件から1年後 何を思うか」だった
『ひより』というタイトルは わたしが名付けた


何度も繰り返し流されるツインタワー崩壊の映像で印象的だったのは「抜けるような青空」だった
その青空をみて
「なぁ 朝起きて天気が良かったら 何を思う?」と自分に問いかけたのを覚えている

「絶好の○○日和」の「○○」に入る言葉は たぶん人それぞれだ
あの日 ある人にとっては「絶好のピクニック日和」だったろうし  ある人にとっては「絶好の犯行日和」だったに違いない


思いつきも計画も それは調節可能な「人」のする事だ
「青い空」は残酷だ 楽しい出来事も悲しい出来事も 脳裏に強烈に焼き付けて哀しく美しい切り取られた過去にしてしまう
その時すでに単なるテロ事件ではなく アメリカの自作自演陰謀説がわたしの耳にも入っていた
どちらにせよ 一握りの誰かが私利私欲のために他人を脅かす権利等ないのに 
2002年当時 そんな事を思っていた




今日は晴れたり曇ったり突然パラパラと雨が降ったりと不安定な空だった
そんな中 10代後半から20代前半の若者達が
「将来を想うハンガーストライキ : コブシを使わず 拡声器を使わず ただ食べずに想いを発信する」と
夕方5時から240時間に渡って 経済産業省前でハンガーストライキを結構する事を知った
胸が熱くなった


311以後 日本人の多くは地震の揺れを感じると「原発は大丈夫か?」という恐怖を感じたり
朝日や夕日を観察し 月の満ち欠けを気にする様になった気がする
この半年で変化したものは 沢山ある
自分の身に降り掛かる危険を実感しない限り あたりまえの様に全ては他人事だ
皮肉に思える事も 沢山ある
私達は大き過ぎて見えないものと 小さ過ぎて見えないものに囲まれている
宇宙には 負ける
時間にも 負ける
それでも 目の前にいる人の心を動かすのは「物」ではなく 「心」だ
だから 用心しなくてはならない


窓越しに見える ころころ変わる空を眺めながら
晴れたり曇ったりの 人の心と自分の感情を覗き込む
そんな事を考えるのに良い「ひより」だった

どきゅめんと

東北出身の とある映像作家が311後に自分の故郷を撮影編集して公開するらしい
別にその行為に関しては 特別に斬新とも思わない
しかも その情報だけなら 何もわたしがわざわざブログに書く事もない
311以降 色んなジャンルのアーティスト達が東北を訪れ 映像を撮り
トークショーや個展や展覧会等で「発表」をしているし
今までも 何か事件があれば何故かしら誰かしらが記録してきた「歴史」がある
ドキュメント映像と呼ばれる物は 世界に山ほどある
好きか嫌いかではなく とにかく「ある」


わたしが気になったのは
「公開しますよ〜」と 映像制作側がツイッターでつぶやいたのに対して
「他人の不幸で金をとる」と とある俳優が批判した事
(どちらも はしょって書いています)
つまりこれは「フィクションならお金を頂いても良い」という事を
俳優は言いたいだけなのだろうか?


わたしは 視覚伝達の中でも特に厄介なのは「実写映像」だと思っている
わたしの作家デビューは写真展だったお陰で 沢山の人と関わって色んな事を学んだ
その中でも一番は「カメラは恐ろしい」と言う事だった
嘘も真実もさじ加減 情報を加えると更に膨大な嘘をつく事も出来ると言う事を
肌で感じたのでした


なので
「フィクションの中に真実を映し出す事も出来る」
「ドキュメントと称して嘘をつく事も出来る」
どちらにせよ やはり重要だとわたしが思っているのは
「作品として(作品としてならばだけれど)何を感じ取ってもらいたいのか」に尽きる
と わたしは思うのです


「とても上手に撮れた映像」や「こんな事があったよ」は 記録であって作品ではない
記録ならばそれは「報告」だ ならばその俳優が言う様に入場料を取るほどの事もないのかもしれない
「自然の驚異」と「悲劇」と「人間の愚かさ」だけならば
様々なメディアで もうすでに私達の目の中に散々刷り込まれてしまったのだから
とはいえ
もちろん「重要な資料としての記録」もあるだろうし
わざわざ編集をして 何かを伝えたいのならば「作品」として
記録だけに留まらない「何か」があるのかもしれない
だとしたら お金を払ってでも観る価値はあるかもしれない


願わくば
どうぞ その映像が「記録」に終わる物ではありませんように
どうぞ その俳優が役柄に限らず「迫真の演技」によって 観る側に恐るべき現実を突きつける方であります様に


そう 思ったのでした


ちなみに「記録」も「コメディ」も嫌いじゃないよ

ひさびさに

EXITにて『0/ZERO』


近況を書いてみる
今年に入ってからの事



今年しょっぱなから 家の中を這って歩くほど足の具合が悪かった
とにかく椅子に座っているのもままならない
恥ずかしながら 家に居ながらにしてトイレに間に合わない事もあった
それでも案配が良い日は痛み止めを飲んでコルセットをして出掛けた
痛くてじっともしてられないのだけれど
2月のKIRAKIRA vol.9 合同展示会(合同展示テーマ:ホワイト)は
参加を決めているからには中途半端は嫌だった
大掛かりな事は出来ないのだから あまり動かなくとも出来る事を考えた
当初のイメージはそのままに素材を変えた
2月22日の搬入日まで ひたすら白い紙飛行機を折った
そうして『ぬける』という作品になった
搬入当日 友達2人に設営を手伝ってもらった
現場で紙飛行機を足していたら 設営の終わった展示仲間も飛行機折りを始めた
「どう折るんだっけ?」「こどもの頃 やったんだよな〜」「これみてよ」と
こどもみたいに笑いながら その飛行機を折って飛ばしたりした
みんな遊びたかったんだな
とはいえ 無事にインスタレーションは完成した



展示会後 どーしよーもなく身体が痛かったので鍼灸に頼った
それから今度は入院展の作品制作で ひたすら縫い物をした
3月9日に入院と言う名の搬入(逆かな?)
いくつか縫い終わらなかったので 入院先の個室で
空き時間にせっせと残りを仕上げた
3月11日手術 午後12時過ぎ無事手術成功
その2時間後に地震
何も出来ないと人は思いのほか冷静になれることを知る
わたしは頭の上でガシャンガシャンと壁に打たれてうるさく揺れる酸素ボンベを 唯一空いていた右手で押さえ
患者を気遣う看護士の大声と 忙しない何人ものバタバタという足音を聞きながら 天井を見ていた
3月13日入院展『さわる』開催
静まり返った病棟で わたしの個室だけが入院患者と看護士で賑わった
院展の詳細は またゆっくり書くとして
とにかく まあ色んな事があって(みんなもそうだろうけど)
順調な経過に退院が早まり 3月28日に無事帰宅した
大変な時に 見舞いに来てくれたみんな ありがとうね



それから すぐに5月8日に新宿2丁目EXITで行われるイベントの用意を始めた
4月にやるはずだったのが 311の影響で
連絡のつかなかったり 日本に居ないアーティストとがいるという理由で延びたのだ
院展で発表したものを展示する予定ではいたが それにプラスしたい作品があった
退院後初の『ひつじのさんぽ』でやりたい事があったのだ
『自立出来ない椅子』と『不完全な物達』は その時どうしても必要だった
なので 2ヶ月間ひたすらミシンを踏んだ 踏みまくって縫いまくった
搬入当日「こいつがいれば大丈夫」の 100人力の友達に手伝ってもらって
短い時間で無事に設営 準備万端
観に来てくれたのに 入口の対応の不手際で観られなかったみなさん ごめんなさい
まあ イベントの企画事態に色々思う所はあったけど『ひつじのさんぽ』も無事に終了
沖縄料理で友達と飲む
あの日の酒は久しぶりだったのだ んまかったのだ
http://www.youtube.com/watch?v=eUOfhMguz6Y



それが終わって すぐに7月のKIRAKIRA vol.10 合同展示会(合同展示テーマ:KIRAKIRA)
悩みに悩んで ロゼットもどきとインスタレーションの制作に入る
またもや 毎日切ったり縫ったり描いたりを始めた
思えばいつも 搬入前日まで制作している 
7月12日の搬入には 身体の調子が良いので一人で設営
今回の作品はとくに「ひつじ」が重要で ひつじがさんぽしないことには出来上がらない作品だった
しかも 久しぶりの杖なしのひつじだ ちょっと緊張した ひつじになる前だけどね
16日のレセプションパーティーでの『ひつじのさんぽ』も無事に終え
この1週間は夏休み気分 全日晴れ!
18日に搬出 26日の昼にみんなで仲間の店でお寿司を堪能
KIRAKIRA主催のトミーがカナダに行くので しばらくKIRAKIRAはお休み


前回の日記に「ぼちぼちと書いていきます」と書いたのに
こんなに間が空いてしまったのは こんな毎日でした
とはいえ
そっか、、
あっという間に 今年半分以上 過ぎちゃったのか



とにかく びっくりしている

おしらせ

*5月8日(日)15:00〜03:00に
新宿2丁目のバー非常口で行われるアートイベントに
わたしもソフトスカルプチャーと「ひつじのさんぽ」で参加します
昨日 や〜っと タイムスケジュールが出たよ〜っ!

ほんとは4月10日に行うはずだったこのイベント
タイトルは『 Dirty,dirty! Sex,sex! 』
最初にこのタイトルを聞いた時は「なにを いまさら」と思いましたが
この言葉を「いまさら」みんな(やる側観る側)が「どうとらえるのか」に興味が沸いて参加することにしました
わたしは いつも通りの事をするだけです

お時間ありましたら ぜひのぞきにきてください
どうぞ よろしくお願いします

*「ひつじのさんぽ」の開始時間は 19:00〜 「 30~ 40分程度です 」
術後初めてのさんぽだわ〜 緊張するわ〜

http://artgigtokyo.com/?p=1


ArtGigTokyo: 12 hours of art installations, performance art and stage performances

8 May 2011, 15:00 ~ 03:00

Bar Exit, 2-12-16 Shinjuku, Shinjuku-ku Tokyo 160-0022 バー非常口, 東京都新宿区新宿2丁目12-16

www.artgigtokyo.com

NO COVER: FREE, FREE, FREE

  1. win gifts from the Mori Museum, NADiff, MOMA Gift Shop, Tokyo Art Beat, Wut Berlin and more

Artists: Yoko Ono, ChimPom, Jack McLean, Beatriz Inglessis, Frederic Aranda, Nogi Sumiko, Elmgreen & Dragset, Robert Waters, Makoto Aida, Benjamin Skepper, Mario A, Vivienne Sato, Louise Bak, Omer Tobi

Performance art: Jack McLean, Nogi Sumiko, Vivienne Sato, Lauren Levitt, Louise Bak

Stage performances: Metro-Ongen, Club Future Future, Cotton Bale, Mistress Maya

DJs: Kaskay, Vivienne Sato

先の東日本大震災にあたりArtGig Tokyo は、数名のアーティストから寄与された作品のサイレントオークションを開催いたします。
オークションの収益金は東日本大震災義援金にさせていただきます。

Following the recent events in Japan, ArtGigTokyo will also hold a silent auction, featuring works by some of the contributing artists. The money that we raise will support relief efforts in Tohoku.<3 <3 <3

Schedule of live performances:

15:00 – Doors open

16:00~18:30 – Performance art by Jack McLean (unannounced)

17.30~19.30 – Performance art by Vivienne Sato (unannounced)

19.00~19.30 – Performance art by N0gisumik0 *

20.00~20.15 – Stage performance by Lauren Levitt

20.30~21.00 – Stage music performance by Club Future Future

21.30~22.15 – Stage music performance by Metro Ongen

22.30~22.40 – Stage performance by Cotton Bale

23.00~23.20 – Stage performance art by Louise Bak

23.30~24.00 – Stage fetish performance by Mistress Maya

24.00~01.00 – DJ set by Vivienne Sato

01.00~03.00 – DJ set by Kaskay

03.00 – End of event

いままでの

制作活動しているのに ここ5年ほどHPをほったらかしにしていた
作って出すのが精一杯で というのは言い訳
もっと忙しい人達は 山ほどいることは解っている
なので 過去の作品が
どうしてこんな「かたち」になったのかを
ぽつぽつ ここに書く事にする

たいいん

『さわる』より「312」


この度 地震及び津波の被害に遭われた方々
同時に原発事故において現在までに被災及び避難されている方々に御見舞い申し上げ
また 災害で命を落とされた方 そのご遺族ご友人に慎んで哀悼の意を表し
今後の皆様の御無事と安全を心よりお祈り申し上げます


わたしは2011年3月11日に無事左股関節の手術を終え 元気です
3月13日〜3月28日まで 某病院内にて入院展『さわる』という個展をしておりました
患者さんや病院に御迷惑が掛かるので 公的な場所で情報を公開せずに行いました 
この様な状況の中で 入院展『さわる』にわざわざ足を運んで下さった方々
お気遣い下さってご連絡下さった方々に
本当に心から感謝しております
ありがとうございました

事後報告となってしまいましたが
3月30日まで行うはずの入院展は わたしの退院が急遽早まった事により
3月27日までとなってしまいました
何よりもわたしの回復の経過が順調良好であることから
退院決定となり 自宅でこれを書いております

今回 奇しくもこの時期に入院展を行えたことが
わたしにとって 多くの学びでありました
今後も皆様にご指導ご鞭撻賜りながら
「ものつくるひと」として生きて行こうと強く心に誓います
改めて どうぞよろしくお願い致します

それでは 皆様 どうかお身体労ってお元気で
また 笑顔でお会い致しましょう
日記も滞っておりましたが また ぼそぼそと再開しようと思っております

のぎすみこ