ひより

今日は9月11日
311から半年 911から10年経った
この2つの出来事を 一緒くたには出来ない 一緒くたにする気もない
それでもこの「たまたま」な日に 色々思い出し取り留めも無く考える


2002年 指輪ホテルとの共同で『ひより』というパフォーマンスを制作したことを思い出す
お題は確か「911事件から1年後 何を思うか」だった
『ひより』というタイトルは わたしが名付けた


何度も繰り返し流されるツインタワー崩壊の映像で印象的だったのは「抜けるような青空」だった
その青空をみて
「なぁ 朝起きて天気が良かったら 何を思う?」と自分に問いかけたのを覚えている

「絶好の○○日和」の「○○」に入る言葉は たぶん人それぞれだ
あの日 ある人にとっては「絶好のピクニック日和」だったろうし  ある人にとっては「絶好の犯行日和」だったに違いない


思いつきも計画も それは調節可能な「人」のする事だ
「青い空」は残酷だ 楽しい出来事も悲しい出来事も 脳裏に強烈に焼き付けて哀しく美しい切り取られた過去にしてしまう
その時すでに単なるテロ事件ではなく アメリカの自作自演陰謀説がわたしの耳にも入っていた
どちらにせよ 一握りの誰かが私利私欲のために他人を脅かす権利等ないのに 
2002年当時 そんな事を思っていた




今日は晴れたり曇ったり突然パラパラと雨が降ったりと不安定な空だった
そんな中 10代後半から20代前半の若者達が
「将来を想うハンガーストライキ : コブシを使わず 拡声器を使わず ただ食べずに想いを発信する」と
夕方5時から240時間に渡って 経済産業省前でハンガーストライキを結構する事を知った
胸が熱くなった


311以後 日本人の多くは地震の揺れを感じると「原発は大丈夫か?」という恐怖を感じたり
朝日や夕日を観察し 月の満ち欠けを気にする様になった気がする
この半年で変化したものは 沢山ある
自分の身に降り掛かる危険を実感しない限り あたりまえの様に全ては他人事だ
皮肉に思える事も 沢山ある
私達は大き過ぎて見えないものと 小さ過ぎて見えないものに囲まれている
宇宙には 負ける
時間にも 負ける
それでも 目の前にいる人の心を動かすのは「物」ではなく 「心」だ
だから 用心しなくてはならない


窓越しに見える ころころ変わる空を眺めながら
晴れたり曇ったりの 人の心と自分の感情を覗き込む
そんな事を考えるのに良い「ひより」だった